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徳島家庭裁判所 昭和40年(家)138号 審判 1966年12月28日

申立人 中野和夫(仮右)

相手方 中野明治(仮名)

主文

一、申立人及び相手方は共同して次の土地を添付土地求積図のとおり<1>、<2>、<3>の三筆に分筆登記手続をせよ。

徳島市南○○○町○○一〇八四番地の一

宅地 七四坪四合五勺

二、被相続人森ナツの遺産を次のとおり分割する。

イ、申立人に別表の番号二の物件を分割する。

ロ、相手方に別表の番号一、三、四の物件を分割する。

ハ、相手方は申立人に対し金四五万八、四五〇円を支払え。

3、本件調停及び審判に要した費用中鑑定人工藤芳三、山本角五郎、松浦寛六に支給した鑑定料合計一万五、〇〇〇円は申立人及び相手方の平等負担としその余は支出した当事者各自の負担とする。

理由

一、相続人及び法定相続分

被相続人森ナツは昭和三七年一一月一三日死亡し、当時同人には子がなく直系尊属及び配偶者もすでに死亡しているため被相続人の弟である中野和夫(申立人)同中野明治(相手方)がその遺産を共同相続したことは本件記録に編綴する各戸籍謄本により明らかである。

上記被相続人が遺言によつて共同相続人の相続分を指定し又はその指定を第三者に委託した事実は認められないから各相続人の法定相続分はそれぞれ二分の一である。

二、遺産の範囲及びその価額

被相続人の遺産及びその価額は別表記載のとおりである。土地の価額については本件を現物による分割を相当と認め、分割後の価額を鑑定せしめこれによることとした。尚被相続人名義の預貯金、家財、衣類等動産については相続人間においてすでに協議が成立し、分割が実施されていることが、家庭裁判所調査官の調査結果、家事審判官の相手方に対する審問結果から明らかであるから本件遺産の対象から除外する。

三、特別受益

各相続人には特別受益として見るべきものはない。

四、相続分の算定

被相続人の遺産の総額は四〇六万三、九〇〇円であるから各相続人の相続分は四〇六万三、九〇〇円×二分の一 = 二〇三万一、九五〇円となる。

五、分割方法について

申立人及び相手方はいずれも本件遺産分割については現物による分割を希望しているものであり、(但し相手方は調停において分割自体を拒否し不調となる)現に双方とも遺産全部を単独取得して相手側に相続分に相当する金銭を支払う資力は認められない。そこで現在相手方が遺産である建物に居住している事実、同建物の存立状況、その他諸般の事情を考慮して、土地については主文掲記のとおり分筆し、別表の番号二の物件を申立人に、番号一、三、四の物件を相手方に分割する。そうすると相手方は物件価額合計金二四九万〇、四〇〇円の分割を受けることとなり、法定相続分を超過する四五万八、四五〇円は申立人に支払わなければならない。よつて調停並びに審判手続費用については家事審判法第七条、非訟事件手続法第二六条第二八条を適用し主文のとおり審判する。

(家事審判官 大西信雄)

(別表省略)

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